スズキのミドルクラス・アドベンチャーとして長年君臨してきた「Vストローム650」。その生産終了に伴い、事実上の後継モデルとなる「Vストローム800」がどのような進化を遂げたのか、多くのライダーが注目しています。

本記事では、1,000kmを超えるロングツーリング、そして一般道での検証を通じ、Vストローム800が持つ「真のポテンシャル」を客観的に解説します。
1. 快適性は「互角」だが、設計思想が根本から異なる
Vストローム650は「ロングツーリング・モンスター」と称されるほど高い巡航性能を持っていました。新型Vストローム800は、この高いハードルをどのように超えているのでしょうか。
高速道路・一般道での疲労感

結論から言えば、単純な「ツーリングでの快適性」や「疲労の少なさ」において、両車はほぼ互角の実力を持っています。しかし、そこに至るアプローチは全く異なります。
- Vストローム650: どっしりとした安定感をベースにした安心感。
- Vストローム800: 軽快なハンドリングと最新のエアロダイナミクスによる効率的な走行。
一般道におけるストップ&ゴーや交差点の右左折、Uターンといったシーンでは、Vストローム800の「軽快さ」が際立ち、現代的な設計の恩恵を強く感じさせる仕上がりとなっています。
2. 決定的な違いは「スポーツ性」と「全能感」
Vストローム800が650と最も大きく異なる点は、ライダーに訴えかける**「スポーツ性能」**です。
現代の「リッターキラー」としての資質

Vストローム650は、安定感を武器にワインディングを「しれっと速く」走るタイプでしたが、Vストローム800はより積極的です。
- エンジンのレスポンス: 乗り手の意志に忠実に応える高揚感のあるエンジン特性。
- ライディングフィール: どんな路面状況でも「負ける気がしない」と思わせるほどの全能感。
この特性により、単なる「移動の道具」としてのツーリングバイクを超え、ワインディングを走ること自体を楽しませてくれる「スポーツアドベンチャー」としての性格が強められています。
3. 進化した空力性能と最新のパッケージング
長距離走行において重要な「風との戦い」において、Vストローム800は顕著な進化を遂げています。
エアロダイナミクスの向上
特にシュラウド周りの風の整流効果が非常に高く、一般道から高速域まで、ライダーに当たる風のストレスが劇的に軽減されています。この差は、1日1,000kmを超えるような超ロングツーリングにおいて、蓄積する疲労の差となって現れます。
洗練されたデザイン
Vストロームシリーズの伝統を受け継ぎつつも、最新の縦型2灯LEDヘッドライトを採用。面構成が洗練された現代的な「アドベンチャーバイク」としての所有感も、大きな魅力の一つです。
4. Vストローム800の主要諸元(スペック)

| 項目 | Vストローム800 (現行モデル) |
| エンジン型式 | 775cc 水冷4サイクル並列2気筒DOHC4バルブ |
| 最高出力 | 82PS / 8,500rpm |
| 最大トルク | 76N・m / 6,800rpm |
| 車両重量 | 223kg |
| シート高 | 825mm |
| 燃料タンク容量 | 20L |
| 主な装備 | S.I.R.S.(電子制御システム)、クイックシフター、TFTカラーメーター |
5. まとめ:Vストローム800はどんなライダーにおすすめか?
Vストローム800は、単に650の後を継ぐだけのバイクではありません。650が持っていた高い巡航性能を維持しつつ、そこに**「圧倒的なスポーツの楽しさ」**を付加したモデルです。
- Vストローム650を検討していた方へ: 安定感はそのままに、より軽快でエキサイティングな走りが手に入ります。
- 最新の電子制御を求める方へ: クイックシフターや出力モード切替など、現代のツーリングに必要な装備が全て揃っています。
「過酷な条件になればなるほど、その真価を発揮する」というVストロームの本質は、この新型800にも確実に、そしてより強力に受け継がれています。


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